私がお葬式の仕事をしながら考えていたこと
「人は死んだら何にもならない。ろくな葬式挙げられん人間になったらあかん」と、以前勤めていた葬儀社の先輩に言われたモヤモヤをずっと引きずっていた私が知った直葬(民生葬/福祉葬/生活保護葬)に牧師を派遣するNPO活動「おとむらい牧師隊」について思っ…
こんにちは、かすがです。 私、新卒で勤めた会社は葬儀社でございました。(「葬儀屋」という響きの方がなじみがあると思いタイトルはそう書きましたが、現在はそういう言い回しは好ましくないらしく、本文中では「葬儀社」とさせていただきます。) 私の担…
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こんにちは、かすがです。 私が体験したお葬式で超印象的だった式があります。 それが、「夫婦合同」のお葬式。時間差でご夫婦が亡くなったので、一回の式で合同で行ったんですね。
「友引」という言葉は怖いと思う。 「連れて行かれる」というのだろうか。 主語をはっきりさせないトコロが恐怖を一層引き立てている。 ある青年が、お母様のお葬式の段取りをされて帰った。身寄りはその青年1人。小さいけれど、式は執り行われるはずだった。
親族がたった2人のお葬式。 そんなお葬式の担当になると、お通夜から式から火葬場接待まで全部一人でおつきあいする式、もないではなかった。 そんなときに限って、出棺時間が遅かったりする。午後1時の窯しか予約が取れないと、開式はセオリー通りに行っ…
生まれてすぐ死んだ赤ん坊のお葬式があった。さすがに遺族のピリピリ感は、他の式とは段違いだった。 スタッフも、なんとなく気が引き締まっていた。 そんななか、私は接待をしながら心の中で思っていた。 「この子は、この世の苦を知らずに済んでよかったじ…
これが、ナンパというやつか? 通夜に来た親族の、中年のおじさんだった。 「生花を注文するけん、注文聴いてくれへんか。ロビーに来てや」と言われて注文書を持って行ったら、電話番号を渡されたのだ。
「合掌、礼拝(がっしょう、らいはい)」 司会の声が響き渡ると同時に、住職が何とも言えないタイミングで鐘を鳴らす。それと同時に、皆が祭壇に向かって手を合わせてお辞儀をする。 もちろん、スタッフもだ。お客さまから見えていない炊事場にいるスタッフ…
孤独死、というものは少なくない。生活保護をもらって暮らしていらっしゃったような独居老人の式は、とても小さい部屋で行われることがほとんどだ。 そういう人の親戚は、部屋に泊まるほどではないから「ご遺体だけ会館に預かるお通夜」ということになる。 …
kasuga-1221.hatenablog.com 徳島県は「真言宗」が一番多い。その次が「浄土真宗西」で、次が「東」。これらのことを「モントさん」と呼んでいた。あとはほぼ同率で「神道」「浄土宗」「禅宗」「法華宗」「創価学会」だろうか。大本教やキリスト教はまれだっ…
《前回↓》 kasuga-1221.hatenablog.com お通夜の空気が好きだった。 私は「暗くなってからの仕事」が醸し出す「非日常感」が、どこか好きだったのだ。お通夜の接待当番と言うのは、大体前日から当日の昼過ぎまでに決まる。と言っても、私は趣味もなかったし…
これから始まる喧騒を予感させる、冷えた空気。ナベとやかんがぶつかる金属音。 しゅわしゅわと立ち上る湯気。 そこから香るほうじ茶のにおいが好きだった。 お葬式の接待と言う仕事を2年半ほどした。 仕事内容は、「お葬式に関わることなんでも」だが、プ…