存在に耐えられない軽さだとは思わない

この世の旅路は果てしない。「主よみもとに近づかん」が好き。

私が葬儀の仕事をしながら考えていたこと~葬儀屋として大事なことは、喪家に恥をかかせないことのみ~

 

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これから始まる喧騒を予感させる、冷えた空気。ナベとやかんがぶつかる金属音。

しゅわしゅわと立ち上る湯気。

そこから香るほうじ茶のにおいが好きだった。

 

 

 

お葬式の接待と言う仕事を2年半ほどした。

 

仕事内容は、「お葬式に関わることなんでも」だが、プランの相談やお金のことは流石に部署が分かれている。私は喪家様にお茶を出したり式の段取りを手伝ったりする役割だった。こう書いてしまうとあまりに簡単だけれど、実に壮絶な仕事だった。

 

 

何が壮絶だったのか、思い出していたらキリがない。ただ、良く言われる「気を遣う仕事でしょ」というのは少し違う気がする。たとえ式のときに親族が泣こうがわめこうが、そんなこと「スタッフには関係ない」と思える程度には「葬儀会社員」だったと思う。

 

 

大事なことは、喪家に恥をかかせないこと。親族や会葬客、宗教者に対して「喪家」の後援をすること。そういったことに不備がないこと。そして、時間通りに火葬場にたどりつき、火葬許可証を渡して火葬してもらえることである。

 

 (続く)