「アーティストは孤独でなくてはいけない」「創ることは苦しくなくてはいけない」 のだろうか。
絵を買った。去年、その作家さんのアトリエを見せてもらった時に、どの作品も好みだと思ったから、「その作家さんの絵ならなんでもいい」と思って、選んだ。
作家さんにとって転換期だったらしく、おどろきの値段でゆずっていただけた。
現実には存在しえない物体が描かれた不安定で繊細な画面も、額装によって存在を許される。
壁に掛けると、かちりと風景にとけこんだ。
サロンの絵として印象付けようと思っている。それにしては少し華やかさが足りな絵である気もする。
でも私はこれが好きだ。
作家さんの話を聞いていると、少し思うところがある。
「アーティストは孤独でなければいけない」
「創ることは苦しくなくてはいけない」
そんな世界の中で生きているような気がした。
たしかに、そういう風潮は想いは自分にも、世界にもある。
悲劇や努力・苦労話のほうが人は共感できることは間違いない。
でも、そうじゃなければ「ほんもの」と言えないのかというと、そうじゃないよな、と思う心がある。最近はとくにそう思う。
「アーティストは孤独でなければいけない」「創ることは苦しくなくてはいけない」のだろうか。
孤独でなければ「ホンモノ」でないのだろうか。苦しくなくては「深く」ないのだろうか。
答えはまだ、持っていない。